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2022年09月20日

2022年9月20日湖国の戦国史と城郭

日時:2022年9月20日(火) 10:00-15:00
場所:介護研修室
湖国の戦国史と城郭
滋賀県立大学名誉教授 中井先生


 通常は残されていたり、建て直されたりしている天守閣、御殿、櫓等がお城であると考えられているが、お城の役割を中心に据えた先生の見方について語られました。


 1.甲賀の城
 戦国時代に横社会の自治を行った軍中惣に特徴的な造りで、1郡に300以上のお城があるのは異例で、他には伊賀、乙訓くらいしかないとのこと。 他の城は縦社会の城であるとのこと。 軍中惣では同じ姓の家族が集まった同名中の掟を紹介されました。


 2.観音寺城、小谷城
 戦国時代のお城の特徴、守るためのお城の造り。 室町幕府の花の御所に習い、通常の住まいは常御殿、仕事の話をする会所、正式な話をする主殿に分かれていたとのこと。
 観音寺城には観音正寺と一緒に建てられが、戦争に備えるために一時観音正寺は麓に下ろされたとか。 観音寺城の石垣は宮大工力を借りている。  六角氏は観音寺城では戦いを行わず三雲城に身を寄せたとか。


 小谷城では住居が麓、山頂にもあるとのこと、発掘から落城時に炎上していないことが分かったとのことでした。


 3.安土城
 従来は石垣はあったが、建物は板葺きで瓦はなく、天主閣もなかった。 安土城は天主に住む唯一の城だったとのこと。
 従来は戦うことが主目的の城だったが、見せるための城に変化。 
 創建当時の建物では移築されてきた総見寺の三重塔、仁王門が残され重要文化財になっている。


 4.彦根城
 関ヶ原の戦いの後、井伊家は佐和山城に入ったが、彦根山に新しく城を、南の大阪城に備え、威容を誇る見せるための天守閣を持つ城を添加普請で築城。 築城を急ぐため天守閣の部材は大津城から移したとのこと。

 お城が廃城になると、全体が次の場所に移動する
 小谷城⇒長浜
 佐和山城⇒彦根
 安土城⇒近江八幡
 坂本城⇒大津

 先生の講義は発掘の実体験に基づき、歴史の深い知識、洞察もあり、話の端々にウイットを配され飽きることなく聴くことができました。

文責 山本 眞
  

Posted by 43期地文 at 22:13Comments(0)選択科目